今回は、老齢基礎年金の支給繰下げについて解説していきます。
過去の投稿で、年金の繰上げ・繰下げさらにはそれによってどのくらい
減額・増額されるのかという内容を解説してきましたので、まだ見ていない
方はこちらの記事をまずは見てみてください。
↓↓↓↓
国民年金の繰上げ・繰下げについて
今回は繰下げに特化した内容にしようと思いますがその理由はなぜか。
そう、表題にもある通り、2022年度の法改正で繰上げの上限年齢が引き上げ
られるからです。
そもそも年金の支給繰下げとは、本来は、65歳以上になるともらえる老齢基礎
年金をその支給開始年齢を遅らせてその分1年間に受け取れる年金額が増えて
いくといった仕組みです。
法改正で何がどう変わったのか??
老齢基礎年金の支給繰下げは、通常、66歳以後に申出をすることで繰下げが
適用されます。すなわち最低でも1年間は我慢する必要があります。
(65歳5ヶ月とかで繰下げの申出をすることはできません!!)
もし、例えば、65歳到達時点で老齢基礎年金の受給資格要件を満たしておらず、
66歳で受給資格要件を満たした場合、そこから1年間我慢して67歳から支給の
繰下げが出来るようになります。
そして、今までの繰下げの上限は、70歳まででした。
それが2022年度からは75歳まで遅らせることが出来るようになりました。
繰下げの際に加算される額は??【法改正】
75歳まで支給繰下げが出来るようになったのですが、そうなると年金に
どのような影響があるのか解説していきます。
国民年金の繰上げ・繰下げについて
こちらでも解説していますが、支給年齢を1ヶ月繰り下げるごとにもらえる
年金額が1000分の7増額されます。
したがって、現行の法律では上限が70歳までなので、最大で60ヶ月の繰下げ
で42%の増額が最大でした。
1000分の7×60ヶ月=1000分の420(42%)
それが75歳に引き上げられたことでどうなるのかというと。。。
120ヶ月分増額することができますので、
なんと、、
1000分の7×120ヶ月=1000分の840(84%)
増額することができるのです!!
繰下げできない場合もあります
繰下げは、他の年金をもらっている場合や、66歳になる前に他の年金の受給権者
になった場合は、繰下げすることはできませんので、この点は注意が必要です。
例えば、65歳時点で遺族基礎年金をもらっている場合。
そういう場合は年金の受給を我慢しているとは言えないため、繰下げすることは
出来ません。
支給繰上げはどうなるの??
ここまで支給繰下げについての話をしてきましたが、実は同時期に繰上げについても
法改正がされます。
その内容については、過去に開設していますので、もしよければこちらをご覧ください。
↓↓↓
【法改正】老齢基礎年金支給繰上げについて
国としては、どんどん平均寿命が延びてきて、年金を受給する期間も伸びてきている、
一方で日本は今後ますます、少子高齢化が進んでいくといわれており、高齢者を支える
働き手がどんどん少なくなっていくため、年金を受給する年齢を引き上げて、財政にも
プラスの影響を与えるために必死であることがわかりますね。
ただ、繰下げするためには、その期間当然年金がもらえなくなるわけですから自分で
老後の生活資金を確保しておく必要があることは言うまでもありません。
そのために国はiDecoや積立NISAなどの私的年金を国民にもっと活用してもらうように必死
なわけです。
(最近メディアなどでよく取り上げられているのかこういった背景があるのです)
コメント