これまでは年金の繰上げすることでで年金額が減額され、繰下げで年金額が増額されることを説明してきました。
年間でどのくらい減額(増額)されるのかは説明してきましたが、年金とは、もらいはじめたら生涯もらい続けるものになりますので、何歳までもらった場合、何歳までしかもらえなかった場合に損するのか得するのかについて説明していきます。
こちらで年金の受給額・受給可能年齢等について説明していますので、まだ見ていない方はこちらをご確認ください。
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年金受給開始年齢は??
早く死亡してしまう場合は、繰上げ受給で早めに年金を受け取った方が、総受給額は多くなります。
一方で、90歳や100歳まで長生きした場合は繰下げして増額された年金を受け取った方が総受給額は多くなります。
いつからもらうのがお得??
ここからは計算しやすいように原則の65歳から受給した場合の受給額が10万円/月として考えていきます。
60歳で年金の受給を開始した場合(繰上げした場合)
年金の繰上げ受給し、60歳から年金を受給する場合は、原則の65歳から年金受給する場合よりも30%減額されてしまいます。
(1ヶ月あたり0.5%の減額)
※2022年4月以降は、0.4%の減額と減額率が引き下げとなりますが、現行法の0.5%で計算します。
それによって、毎月もらえる年金額は7万円/月に減額されてしまいその際の損益分岐点は、77歳となります。
10万円×144ヶ月 1,440万円 (65歳から受給開始した場合)
76歳までに死亡してしまった場合は、60歳から受給した方が総受給額は多くなりますが、
77歳以降も年金を受給した場合は、65歳から受給した方が総受給額は多くなることとなります。
70歳で年金の受給を開始した場合(繰下げした場合)
70歳から受給開始する場合は、原則の65歳から年金受給する場合よりも42%増額されることとなります。
(1ヶ月あたり0.7%の増額)
それによって、毎月もらえる年金額は14.2万円/月に増額され、その際の損益分岐点は81歳10ヶ月となります。
14.2万円×142ヶ月 2,016.4万円 (70歳から受給開始した場合)
別の考え方としては、65歳から70歳までの期間中にもらえなかった年金額は600万円
(10万円×60ヶ月)の繰下げによる上乗せ部分で補うためには、600万円÷4.2万円(増額分)=11.9年(142.9ヶ月)となります。
81歳9ヶ月よりも前に死亡してしまった場合は、65歳から受給した方が総受給額は多くなり、81歳9ヶ月よりも長生きする場合は、70歳から受給した方が総受給額は多くなります。
日本人の平均寿命・健康寿命は???
令和元年の日本人の平均寿命・健康寿命は以下の通りです。
健康寿命 72.14歳
女性:平均寿命 87.45歳
健康寿命 74.79歳
(出典:厚生労働省)
正直これからの人生何があるかは誰にもわかりませんが、先ほどの繰上げ・繰下げによる損益分岐点や現在の日本人の平均寿命・健康寿命を参考に自分や繰上げするべきなのか、繰下げするべきなのか慎重に検討していく必要があります。
近年では、”長生きリスク”について、議論されることが多くなり、今後の平均寿命の延びを考慮すると年金受給額を繰下げすべきとの意見が多いように感じます。
年金を繰り下げても生活に困窮しないよう現役世代のうちから老後の生活資金等を考えながら貯蓄や資産運用していく必要があると思います。
その老後のための資産運用についてはまた別の機会で説明しようと思っていますので、そちらも参考にしていただければと思います。
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